2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

土地

ふるさとによく似た荒々しき街で私が願って良いことは何眼を閉じておきながらためらうならば鏡のようなおまへの海辺表現が人を追い詰めていくように人が思い知る堕胎のすすめ

フリーク

悲しみの匂いは迷っている徴であろう 魚が舐める液体早く死んでしまいたいと思います 何度も君の前でつぶやくふらふらと渡ってゆきたいその街は真綿のごとき砂鉄の匂いフリークになればいいだろ 底冷えの部屋で朝日に洗われながら青い鳥が走って居りぬ 水辺…

フレーム

逸話を今賑やかに取り交わすとき オーライ、彼は息を止めていたゆつくりとこの世の別れをしたのかい まだ違う、さらに違うと云いぬフレームを越境するとき眠るとき 私はおまえの手の内にある

領域

われわれは過程の中で眼を閉じる魚 目覚めが船の如く着く夏が来て大きくなる木を背にしよう ためらいはむしろおまえのために夕暮れはいつか始まるものなのか 終わつた後の凪ぐテリトリー

夏山

情動が夏山のごとく青かりし 日陰に育つやはらかき豆灰色の眼をすることは夏山を滑り落ち行く少女の仕草五月雨が分からなかった 青い火の如きミントの雨に降られて