2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

うつわ

むつかしさは明るき驟雨の如く降り欲望の芽をまだ愛でておく歌はみな真実では無いものとして見えるうつわの様な発話で泣きそうになる時君を埋め尽くす言葉は砂鉄の様に逸らされる格納庫によろめきながら入り込むひとよ昨日の用事は済んだ?

私等の棲まう柔らかきこちら側 低く曇天の陽を浴びている多分襞があればいいのだと知りながら (私も君も目を伏せている)かたくなに夢よ石として冷えながら許されてある私のこころ

水滴

悲しみは消えざるを得ず遠ざかる驟雨が私の足を濡らしぬ街が水底のように暗かった。魚は壁を透かし見ている僕には金属の細胞があるから 衣のかたまりごと抱いてみるあるべきの身振りとしてまた見せらるる かくもうつぶせとは激しきを

聖火

燃えている感光紙が背を伸ばすよう思い直しぬ ふと灰が散る青き肩の荷を光らせて躓きぬ 記憶とは一回きりで良く言葉が頬を覆い隠しているらしい 行こうか、チビが見ている前でぼんやりと仮想の二階に住んでいる 曇天にまだ隠れたつもり