塔 2009年7月号の掲載歌

塔 2009年7月号の掲載歌です。

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捨てたものの気配は軽く山査子の厚みの如く甘くくずれる
既に死んでいるからいいの茜差す嘔吐の意味を知らなくてよい
細い糸を額に感じきらきらと光る壁際に植物を置く
かたばみの繁る軒先圧力を保つぎりぎりの脳髄で行かう
暗き部屋ではためく朝日眠る吾がどうなろうとも君はほほえむ