石の足

夜の霧につつまれるべき さきざきにうす紫に染むグラフィティ

北京から電話は遠い 壊れゆく時は丘のようになだらか

隠しいる嗜好はこの血 眼を細めしずかに絆を断ち切るときの

まだ降らぬ雨に待たれているのなら濡れに行こうか 石の足もて

なぜ音がするのか夜は 銀いろの海よわたしの手を引いていく

君はその荒野のなかで我を見る 部分の中に在る全体は