2011-06-19 化繊 短歌 怯えつつ二人が覗くある夜は化繊の如く凪ぐ滑らかさゆらゆらと炎のめぐりが明るくて遠かりき 君が守られる春ゆらゆらと森は眠りぬ 諦めた海ね夜霧が埋める間合いはビニールの白い波間にかがむ時我らは魚のようにくるまれる我々の不遜はいつか現れる青い車の様に無意味ね手鏡のなかにけものの道がありわたしの時間の上を飛ぶ鳥