『塔』2011年10月号掲載歌

『塔』2011年10月号掲載歌です。

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ゆつくりとこの世の別れをしたのかい   まだ違う、さらに違うと云いぬ

夕暮れはいつか始まるものなのか 終わつた後の凪ぐテリトリー

夏が来て大きくなる木を背にしよう ためらいはむしろおまえのために

灰色の眼をすることは夏山を滑り落ち行く少女の仕草

山羊の眼となり観るがいい 夕暮れに涙し夜は戦うひかり