雪ん子

眠たげな顔の車輌が近づいて来ればしかめっ面の風が寄って行く

柔らかに毒が回っている間それと知らされず立ちすくむ花

包帯のような苛立ちに縛られて夜は死ぬのだそれはそれとして

快速で逃れる舟よためらはず大きく曲がれおまへの時間

雪ん子がまわるシールド 想像の秋の中から死にゆくこころ

眼を閉じてあきらめの橋を渡る時私は良く啼く夜鷹の一部