2009-01-25 塔 2009年1月号掲載歌 短歌 塔の2009年1月号に掲載されました。 - 想像の車が走る 夏めいた蝦夷富士の裾はあんなに暗い さまざまなかたちがあろう 手にしてはいずれ失うこの空隙も 年古りし機械の甘さ いつまでの神の仕事場へいざ出勤 若き知はゆらりたなびき暖かい曇りの空のように落ち来る 反復を受入れてゆく 金の鳥黙り目覚める夕暮れ明く 白薔薇のめくれるままに 人生の糖分きざす耳鳴りのごと 死の代わりに君に添いたい タナトスの女神の如く虚飾を纏い